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冬場(11月〜)のリードの開き調整方法

  • 執筆者の写真: fumiww
    fumiww
  • 2022年1月4日
  • 読了時間: 4分

更新日:2023年2月20日


冬場は低湿度の影響で、特にエアコンの効いた室内ではリードが【水に浸けた直後はパックリ開くのに、演奏中にはぺちゃんこに閉じやすい】季節です。同じリードで真逆の現象が起きるためどうしたらいいのか訳が分からなくなってしまうのですが、これは


①水に浸けてすぐにパックリ開くのは、リードが夜の間に完全に乾燥してしまった結果→急激に水気を吸って一時的に膨張しているので、そのまま吹かずにまず開きを落ち着かせることが必要。


②演奏中に閉じてしまうのは、口から離している間にエアコンの風などで必要な水分を奪われてしまうため→急激に乾いて潰れてしまったので、水分補給が必要。


と、同じ【乾燥】が原因なのですが開きが変化するメカニズムが全く異なります。このことを理解しておくと、弊社リードの場合は以下の方法で簡単に対処が可能です。



①冬場のリードは一晩で完全に乾燥してしまい、特に新しいものは置けば置くほど先端がどんどん開いてきます。


ですので郵送で受け取った直後や、数日間吹かなかったリードはまず先端の開きをチェックし、開きを元に戻して【いい開き】にしてやると、心地よく演奏することが出来ます。


私のリードの場合、吹きやすい先端の開きは湿った状態でこのくらいです。

このくらいになるよう、以下の方法で先端の開きを調整します。いつも同じ開きで吹くことが安定した演奏に繋がるので、ぜひトライしてみて下さい。



【開きのチェック/調整手順】


1.リードの削ってある部分全体を水に1秒浸け、軽く水を切ってリードケースに戻します。


2.リードケースに10分ほど置いて水気を馴染ませ、その後開きを指で調整し適切な開きに整えながら吹き始めます。この場合、必ずリードの「削ってある部分」から指で潰して調整します。


かなり極端なものを選んでみました(これだと全く振動しないはずです!)

↓ ↓ ↓

このように先端(削ってある部分)のみを、キューっとしばらくの間つまんで下さい。

いい開きになりました!

*リードの表裏がずれないように気をつけましょう!ずれた場合は元の位置に戻して下さい。

*なかなか開きが狭くならない時は、先端から少しずつ根本の方へ向かって潰していきます。

ただし乾いた状態で潰したり、根本の削ってない部分を強く潰すとリードが割れてしまうので、くれぐれもご注意下さい!



3. 潰して開きの調節をするのが難しい場合は、もう一度一瞬水に浸けて軽く水気を切り、そのままリードケースに20〜30分くらい置いて水気を飛ばしてやる方法もあります。これは水を吸い込んだリードは乾く過程で一度開きが閉じる性質を利用したものです(開きが閉じすぎてしまったら、もう一度1. からやり直して下さい)。



4. 開きを整えたら、いつものように先端の振動をチェックします。リードの先端のみを唇の先で咥え、軽くタンギングでクリアに発音出来れば準備OKです。

このくらいの開きが演奏しやすいです!


なおこのようなリードの性質を逆に利用し、お好みよりも開きの足りないリードは、水に浸けずに数日間置いて完全に乾かしてやると、開きが出ますのでお試し下さい。



演奏前のリードの準備については以上です。

以下は、演奏中のリードの変化(乾燥)への対応についてです。



②演奏中ぺちゃんこになったものは、もう一度水に浸けるか、しばらく口の中で温めながら湿らせてやれば開きが戻ります。


冬は乾燥した空気やエアコンの乾いた風の影響でリードが乾き開きが潰れやすいので、演奏する環境によってはリードケース内に置いている間に開きがぺちゃんこになってしまうこともあります。また、演奏中でも長い休みの間などの【口から離している時間】に乾いてしまって開きが狭くなることもあります。

長い休みの間などは乾かないように、リードだけ口にくわえて暖かい息を通し、温めてやるようにするとよいでしょう。


リードケース内のリードも、エアコンの風が当たるとどんどん水気を持って行かれてすぐにぺちゃんこになってしまうので、必ずフタをするようにしましょう

*湿度の高い夏場には、逆にフタを開けてなるべく乾かすようにします。季節により正しい扱いが異なるので、注意が必要です!


このように、冬場にリードが潰れるのは実は主に【吹いていない間】です。吹いている間はタンギングなどで先端から水気が補給されるため、あまり変化しません。なので演奏中でも、リードを長く口から離している時間は注意が必要です。


湿度30%の防音室で放置してすっかりぺちゃんこになったリードですが…

 ↓ ↓ ↓

口の中で30秒温めただけで、復活しました!


*夏場などの気圧が低く室内湿度が60%を超える季節では、逆にリード先端が湿りすぎないように気を付けます。冬と夏とでは取り扱いが真逆になりますので覚えておいて下さい。


【まとめ】

一度完成したリードは、実は先端の開きの調整が命です。振動しなくなったからと慌てて削る前に、このページ一番上の写真を参考に開きを整えて、いつも心地のよい開きになるように調整してみて下さいね。


*このようなリードの開きの調整方法は、リードレッスンでもお教えしています。使えるリードが格段に増えると思いますので、よろしければご相談下さい。



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