top of page

弊社リードの開き・ピッチ・息の入り方の調整方法

  • 執筆者の写真: fumiww
    fumiww
  • 2023年8月15日
  • 読了時間: 5分

更新日:8月12日

弊社のリードは、いつもお使い頂いていて私が基準にしているプロ演奏家の皆さんが、オーケストラの中やピアノ伴奏で正確なA=442のピッチで演奏出来るように設計されています。オーボエリードのピッチは楽器との相性や奏者のアンブッシュア、または一緒に演奏する周りの方々のピッチなどにより左右されるため、お客様の演奏環境によってはこちらで想定しているA=442のピッチで演奏出来ない場合もございます。


そのような場合、以下の方法でピッチの調整をしてみて下さい。リードを削る必要はありませんので、どなたでも簡単に調整出来ると思います!



【チューニング前の準備】

ピッチの調整をする前に、まず必ず先端の開き調整をして下さい。これはピッチが低い場合、「開きが大きいまま」で吹かれていることが多いためです。オーボエリードはまず「いつも同じ、正しい先端の開き」になっていないとピッチの正確な判断が出来ませんし、ppの発音も難しくなってしまいます。リードは一晩乾かすと(演奏時と比べて)開きが大きくなり、その度合いも個体や季節により異なるため、演奏時にいつも同じ先端の開きに整えてやることが安定した演奏への第一歩です。


特に新しいリードは張りがしっかりあり開きやすいので、水に一瞬浸けた後にしばらくリードケースで置いて先端が柔らかくなるのを待ってから、いつも写真のような開きになるよう調整します(リードケースに置く時間は季節により異なるため、各リードの取説ページをご参照下さい。削ってある部分の表面についた水がリードに染み込んで、表面から水気がなくなったくらいが目安です)。

ree
ree

【開きの調整方法】

リードの開き調整をする際は、必ず所定の時間水に馴染ませて、開きの調整ができる柔らかさになってから、下の写真の・印部分(リードのスクレープ(削ってある)部分の境目)をつまんで開きを狭くします。この時、リードの下の方(他の方のリードでよく針金が巻いてあるあたり)は決して触らないで下さい!根本を潰してしまうとリードのバランスが狂ったり、割れたりしてしまいます。潰すのは・印の部分あたりです。

ree

写真の・印の部分を、人差し指と親指でキューっと30秒程度、かなり強く力を込めて潰します。

*削ってある部分だけではなく、表皮の部分と半々くらいを指先に感じながら押さえるのがコツです。

ree
ree

このくらいの開きになるまで、リードの「上半分を」潰します。

ree
ree

*秋冬の空気が乾燥する季節や新品のリードは特に水に浸けた直後は開きがぱーっと大きくなりますが、上の写真の要領で「削ってある部分と削ってない部分の境目」部分を30秒から1分くらい親指と人差し指でキューっとしっかり力を込めてつまんでやれば、ちょうどよい開きになります。

→実はほとんどの場合、これでピッチの問題は解決します!解決しない場合は次のピッチ調整へ。



*なお、リードはコルク上端部に線が付けてある方が「下唇側」です。表裏が逆になるとピッチにも影響がありますので、念のため一度ご確認下さい。

ree



ピッチが低い場合(息が入りすぎる場合)】

①上記の方法でリード先端の開きを適切に調整した後も、全体、特に左手側(ラシド)のピッチが低い場合は、リードの表裏をピッチが上がる方向へずらしてみて下さい。左右どちらかで上がり、その逆で下がります。息の入りがコンパクトになる方がピッチの上がる方向です(左右どちらで上がるかは、個体により異なります)。最初から少しずらしてあるものはその方向がピッチの上がる方向なので、その向きに更にずらします。

*弊社のリードは表裏を多少ずらしても、発音には影響しないように設計してあります。


*初心者の方や学生さんに多いのですが、リードのコルク部分が楽器の一番奥まで挿し込まれていない場合も、ピッチが低くなります。ピッチが全体的に低い場合は、まずコルクが一番奥までちゃんと入っているかを確認してみて下さい。コルクがきつい場合は、コルクの下半分を少し湿らせてから指でキュッキュッと押さえてみたり、定規で押さえつけながら机の上でコロコロと転がしてコルクを潰してやると、ちゃんと奥まで入るようになります。コルクの下半分を潰してやるのがコツです。

*コルクグリスは決して塗らないで下さい!!


② ①をやってしばらく吹いてみてもまだピッチが低い場合は、リードカッターで0.1〜0.2ミリ(髪の毛1〜2本分)カットしてやります。それでピッチが上がりすぎたり息が入りにくくなりましたら、①でずらしたのを少し戻してやってバランスを取ってみて下さい。




ピッチが高い場合(息が入らない場合)】

①ピッチが全体に高い場合(特にハーフホールのC#やDが上ずって、長三和音の第3音時に低めに取れない時)は、まずリードの表裏のずれがないかを確認し、「ずれていない状態」へ戻してやります(要は【ピッチが低い場合】の反対をしてやるわけです)。


②ずれを戻してもまだ高いなら、リードを1ミリほど抜いてやります。チューニング時はA(吹奏楽ではB♭)だけでなく、真ん中(ハーフホール)のC#とDが上ずらなくなるようにチューナーで確認して下さい。



【息が入りにくい時】

古くなったリードになりますが、音程やppの発音はいいけど吹き込んだ時に息が入らず長いフレーズを吹くのに苦しくなった場合は、ずれているものは今ずれている方向と反対側に、ずれていないものは左右どちらかピッチの下がる(息の入る)方へ、グッとしっかりずらしてやって下さい。


厚みのあるプラークをギュッと奥まで挿し込んでやるだけでも、ある程度は改善します。

ree

このような厚手のプラークを1枚持っておくと便利です!(金属製、またはプラスチック製がおすすめ)


【まとめ】

このように、弊社リードは開き・ピッチ・息の入り方の調整が簡単に出来るため、ほとんどの場合ナイフによる調整は必要ありません。慣れればとても簡単に出来るものばかりですので、ぜひトライしてみて下さい!


*弊社リードのお客様には、このようなリード調整方法の個人レッスンも行っています(有料/1時間6,600円〜)。詳しくはメールにてお問い合わせ下さい。


コメント


Access【東京アトリエ
〒206-0803
東京都稲城市向陽台5-10-2-302
​※2号棟です。


京王相模原線「稲城駅」より、
京王バス【稲12】(若葉台行き)に乗車、
6駅目の【向陽台3丁目バス停】下車徒歩5分


※最寄り駅よりタクシーご利用の場合は、
京王相模原線「稲城駅」または、
JR南武線「南多摩駅」いずれも5分程度です。

※駐車場がございませんので、マイカーでお越しのお客様はあらかじめご連絡下さ
い。

☎090-9462-7191
Email   fumiww@icloud.com
営業時間 12時~20時(不定休)
​※ご来店の際はご予約ください

bottom of page