fumiリードの取り扱い方法(最新版)
- fumiww
- 2024年1月22日
- 読了時間: 4分
更新日:3月26日
fumiリードは大型のH25シェーパーと細身のドイツチューブの組み合わせのリードです。主にプロオーケストラ奏者の皆さまに向けて製作しているため、シビアなプロの現場での演奏に対応出来るようかなり厳しい基準でリード材を厳選して製作しています。
もちろん一般の方からもご注文頂けますが、取り扱いに関してはオーボエの専門家であるプロ演奏家の皆さまのご使用を想定しておりますので、ヒヅカリードと比べ開きの調整などが難しいと思います。こちらの記事では、一般の方でも使いやすいよう取り扱い方法をご紹介します。
①リードの削ってある部分(スクレープ)のみをちょんと一瞬水に浸けてすぐに引き上げ、軽く水を切ってからリードケースに入れて、湿度の高い季節は10分ほど、空気の乾燥する季節は15〜20分置いて馴染ませます。
この時、冬場の特に乾燥した季節はリードケースの蓋を閉めてやりましょう。
湿度の高い季節は、逆に蓋を開けておきます。
*3月現在:リードケースに15分ほど、蓋は閉めずに放置して下さい。削ってある部分の表面に付いた水が染み込んで、表面からほとんどなくなったくらいで開きの調整が可能な柔らかさになります。そこからリード先端を口の中で少しだけ湿らせてから、②へ進んで下さい。
*弊社リードは、決して水に浸けっぱなしにはしないで下さい!
②上記の時間馴染ませてリードの先端が柔らかくなると振動が始まりますが、fumiリードは張りが強いためそのままではまだまだ吹きにくいと思います。
○冬場に15分ほどリードケースで置いた状態。このままだとまだ開きが大きすぎて発音できず、ピッチも低いです(空気の乾燥する冬場は特に張りが強く出ます)。そのため、まずはリードの開きを狭く整えてやる必要があります。

○押さえる(潰す)のはこの辺りです。印を付けた部分を親指と人差し指で押さえて潰し、リードの上半分の開きを狭くしてやります。

○U字の境目部分をキューっと強く(かなり強く!)押さえ、10秒〜30秒程度しっかりと潰してやると、


このように先端の開きが落ち着いてきます!


反応がよくなり、軽い吹き心地でタンギング出来るようになるまで、しっかりと開きを狭く整えてやります。その上で、④ピッチの調整へ進みます。
*潰すのは「U字の境目部分」までです。リードの下半分は決して潰さないようにして下さい!!息の入り方が変わってしまい、全く別のリードになってしまいます(私が針金を巻かないのも同じ理由からです)。
*必ず、所定の時間水に馴染ませてから潰しましょう。乾いたまま、または水の入りが不十分な状態で潰すと、パキッと割れてしまいます(特に冬場は注意!!)
③真冬などにそれでもまだ重くて(硬くて)吹けない場合は、材がしっかりと水を吸うのに時間がかかる個体なので、もう一度①から繰り返します。リードケースに置く時間も更に長めにしてやるとよいでしょう。
④ピッチの調整方法
fumiリードは大型のH25シェーパーを使った息の入るリードのため、楽器や吹き方との相性によってはピッチが低くなる場合があります。先端の開きさえ狭く整えてやれば、最初低めでもしばらく吹いて20分も吹いていると馴染んでちょうどよくなることがほとんどですが、それでも難しい場合はリードの表側を少しだけ左右どちらかにずらしてやれば、ピッチが上がり吹き心地も軽くなります。真ん中のFが取りやすく(上げやすく)なるくらいまでずらすのが目安です。
○弊社のリードは、コルク上端部に線がある方が下唇側です。

○上唇側(線がない方)からリードを見ると、このように少しだけ左右両方に反対側の縁が見えます。この状態がニュートラル(ズレていない)です。

ピッチを上げたい時、または下げたい時は、このリードの上唇側を左右どちらかへ少しだけずらしてやります。左右のどちらかで上がり、その反対側で下がります(左右どちらかは、リード個体により異なります)。
○右側(→)へずらした状態

○左側(←)へずらした状態

*リード個体により、出荷時に少しずらしてピッチを調整しているものもあります。その場合、ずらしてある方向が「ピッチが上がる方向」ですので、同じ方向へ更にずらしてやります。
*fumiリードは多少ずらしても発音に影響は全くないよう設計してありますので、必要に応じてこの方法でピッチや息の入り方の調整をして下さい。
・ピッチが上がる方向にずらす→息の入りは抑えられる
・ピッチが下がる方向にずらす→息の入りは増える
です。リセットしたい時は、厚みのあるプラークを入るところまでグッと挿し込んでやって下さい。
○以上をやってもどうしても低い場合は、先端をリードカッターで0.1ミリだけカットしてやって下さい。
【まとめ】
fumiリードは張りがしっかりとある材を使用しているため、先端の開きを必ず適切に整えてから演奏して下さい。その上で、ピッチや息の入り方をお好みに整えてやりましょう。
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