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弊社リードの開き・ピッチ・息の入り方の調整方法

更新日:6月14日

弊社のリードは、いつもお使い頂いているプロ演奏家の皆さんがオーケストラの中やピアノ伴奏で正確なA=442のピッチで演奏出来るよう、設計されています。オーボエリードのピッチは楽器との相性や奏者のアンブッシュア、または一緒に演奏する周りの方々のピッチなどにより左右されるため、お客様の演奏環境によってはこちらで想定している正しいピッチで演奏出来ない場合もございます。


そのような場合、以下の方法でピッチの調整をしてみて下さい。リードを削る必要はありませんので、どなたでも簡単に調整出来ると思います!



【チューニング前の準備】

ピッチの調整をする前に、まず必ず先端の開き調整をして下さい。これはピッチが低い場合、開きが大きいままで吹かれていることが多いためです。逆に、古くなり開きが最初の頃より狭くなったリードは、ずれを戻してやらないと息が入らずピッチが高くなります。

このようにオーボエリードはまず「いつも同じ正しい先端の開き」になっていないとピッチの正確な判断が出来ませんし、ppの発音も難しくなってしまいます。リードは乾くと(演奏時より)開きが大きくなり、その度合いも個体により異なるため、演奏時には全て同じ先端の開きに整えてやることが安定した演奏への第一歩です。


水に一瞬浸けた後にしばらくリードケースで置いて先端が柔らかくなるのを待ってから、写真のような開きになるよういつもリードを調整しましょう(リードケースに置く時間は季節により異なるため、各リードの取説ページをご参照下さい)。


*リードの開き調整をする際、根本(リードの下半分)は決して触らないで下さい。必ず、リード先端のスクレープ(削ってある)部分をつまんで開きを狭くします。根本を潰してしまうとリードのバランスが狂ったり、割れたりしてしまいます。


秋冬の空気が乾燥する季節に水に浸けてすぐに開きがぱーっと大きくなったリードでも、下の写真の要領でスクレープ部分を30秒から1分くらい親指と人差し指でキューっとしっかりつまんでおけば、ちょうどよい開きになります。

→実はほとんどの場合、これでピッチの問題は解決します!


特に冬場は空気の乾燥により一晩置くだけでリードはカラカラに乾いて硬くなり先端が大きく開いてしまい、水に浸けてすぐは更にパックリと開いてしまいます。また大型のfumiリードはとくに乾くと張りが出やすいので、どちらの場合も開きが大きいままでは吹かないことが大切です。少し時間をかけて水気を馴染ませ先端を柔らかくしてから、上の写真くらいの開きになるまで必要に応じてリード先端を30秒から1分くらいキューっとつまんで調整して下さい。


*開きを潰す際は、リードの表裏がずれないようにご注意下さい。ずれてしまったものは、開きが狭く出来た時点で反対側へずらし、一度ずれていない状態へ戻してやりましょう。その上で吹いてみて、ピッチを判断します。



*リードはコルク上端部に線が付けてある方が「下唇側」です。表裏が逆になるとピッチにも影響がありますので、念のため一度ご確認下さい。




ピッチが低い場合(息が入りすぎる場合)】

①上記の方法でリード先端の開きを適切に調整した後も、全体、特に左手側(ラシド)のピッチが低い場合は、リードの表裏をほんの少しだけ(髪の毛1〜2本分程度)、ピッチが上がる方向へずらしてみて下さい。左右どちらかで上がり、その逆で下がります。最初からずらしてあるものは、その方向がピッチの上がる方向です。


弊社のリードは、表裏を多少ずらしても発音などに全く影響しないように設計してあります。

写真の程度ずらしても、弊社リードは振動や発音に全く影響はありません(ピッチをみて、最初からずらしてあるものもあります)。


*初心者の方や学生さんなどに多いのですが、そもそもリードのコルク部分が楽器の一番奥まで挿し込まれていない場合も、ピッチが低くなります。ピッチが全体的に低い場合は、まずコルクが一番奥までちゃんと入っているかを確認してみて下さい。コルクがきつい場合は、コルクの下半分を少し湿らせてから指でキュッキュッと押さえてみたり、定規で押さえつけながらコロコロと転がしてコルクを潰してやると、ちゃんと奥まで入るようになります。コルクの下半分を潰してやるのがコツです。

*コルクグリスは決して塗らないで下さい!!


② ①をやってしばらく吹いてみてもまだピッチが低い場合は、リードカッターで0.1ミリ(髪の毛1本分)カットしてやります。




ピッチが高い場合(息が入らない場合)】

①ピッチが全体に高い場合(特にハーフホールのC#やDが上ずって、長三和音の第3音時に低めに取れない時)は、まずリードの表裏のずれがないかを確認し、ずれているなら反対側にずらして「ずれていない状態」へ戻してやります(要は【ピッチが低い場合】の反対をしてやるわけです)。


②ずれを戻してもまだ高いなら、リードを1ミリほど抜いてやります。チューニング時はA(吹奏楽ではB♭)だけでなく、真ん中(ハーフホール)のC#とDが上ずらなくなるようにチューナーで確認して下さい。



【息が入りにくい時】

音程やppの発音はいいけど、吹き込んだ時に息が入らず長いフレーズを吹くのに苦しい場合は、ずれているものは今ずれている方向と反対側に、ずれていないものは左右どちらかピッチの下がる(息の入る)方へ、グッとしっかりずらしてやって下さい。


厚みのあるプラークをギュッと奥まで挿し込んでやるだけでも、ある程度は改善します。

このような厚手のプラークを1枚持っておくと便利です!(金属製、またはプラスチック製がおすすめ)


【まとめ】

このように、弊社リードは開き・ピッチ・息の入り方の調整が簡単に出来るため、ほとんどの場合ナイフによる調整は必要ありません。慣れればとても簡単に出来るものばかりですので、ぜひトライしてみて下さい!


*弊社リードのお客様には、このようなリード調整方法の個人レッスンも行っています(有料/1時間6,600円〜)。詳しくはメールにてお問い合わせ下さい。


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