梅雨時(6月〜7月)のリードの取り扱いについて

更新日:6 時間前

梅雨入り前〜梅雨明けは一年で最も湿度が高く、日本中のオーボエ奏者から一斉に「リードが重い!」「息が入らない!」という言葉が聞こえて来る季節です。しかしこれは(以前こちらのブログ記事でも書いた通り)、湿度が高く冬場の10倍近い水分が空気中に溢れている季節に乾燥した季節と同じようにリードを湿らせて吹けば、重くなって振動しないのは当然です。また梅雨時期は気圧も低いのですが、気圧が低いと木材の吸水性が高くなることが分かっており、リード材であるケーンにも同じことが起こっていると考えられます。吸水性が高く(低気圧)、なかなかリードが乾かない(高湿度)ので、リードはどんどん水を吸って、重く柔らかくなります。


私も以前は年間を通して同じようにリードを水に浸けてから吹いていましたが、気候(季節)に合わせて湿らせ方(水の与え方)を変えるようになってからは、湿気や乾燥で悩むことがほとんどなくなりました。その経験から、梅雨と言ってもリードが勝手に重くなるのではなく、演奏前に水を含ませ過ぎることで重くなっていたことが分かりました。「リードが重い」のは水を含みすぎて文字通り重量が重くなるため、「息が入らない」のは湿度が高くてリードが乾かずに先端の繊維が柔らかくなりすぎているためで、いずれも水の含ませすぎが主な原因です。


ポイントは【湿度が高い時/気圧が低い時には、リードに水を与え過ぎない】ことです。


【ヒヅカリードの場合】

①梅雨入り前後で屋外の湿度が60%を超えるこの季節は、ヒヅカリードの場合 先端の削ってある部分の更に先端(2〜3ミリくらい!)をチョンと一瞬水に浸け、すぐに水気を吸い取ります。それだけですぐに吹いて頂いてOKです。何ならクラリネットのリードのように口に咥えて先端を少し湿らせてやるだけでも、ほとんどの個体が演奏可能と思います。


*逆に(冬や春のように)水がたっぷり付いた状態でリードケースに置いてしまうと、それだけでリードが重くなって振動しなくなりますのでご注意下さい。もし先端を水につけた後にリードケースへ戻す場合は、必ずリードについた水気を吸い取ってから戻すようにして下さい。


チョンと一瞬!

必ず、すぐにリードについた水気を吸い取って下さい!


乾いた状態でこのくらいの開きのものは、おそらく口の中で湿らせるだけでも大丈夫です。



②すぐにリード先端の薄い部分だけを唇の先にくわえて吹いてみて、プワプワと音が出て、タンギングでクリアに発音出来るなら、そのまま楽器に着けて普通に演奏して頂けます(深くくわえずに、先端(先ほど水を浸けた辺りだけ)をくわえて発音してみるのがコツです!)。

タンギングの発音がぼやける場合は、もう少しだけ口の中で湿らせるか、そのまま少しリードケースで置いて馴染ませてやりましょう。


*fumiリードやロングリード、また【軽め】でご注文頂いたヒヅカリードは、通常のヒヅカリードより水気が馴染むのに若干時間がかかります。①と同様に、削ってある部分の先端をチョンと一瞬水に浸けた後、すぐに水気を吸い取りリードケースで1分ほど置いて、少しだけ水気を馴染ませてから吹いてみて下さい。

リード先端の薄い部分を咥えてタンギングしてみて、クリアな発音が出来れば準備OKです。



③リード先端は振動するけど根元が重い感じの時でも、クリアなタンギングで発音出来ているなら、そのまま吹いていれば徐々に水気が回って程よい柔らかさになり、リード全体が振動するようになります。

④しばらく吹いても張りが強すぎてコントロールしにくい場合は、いつもの通り指で先端の削ってある部分をキューっと潰して、表裏がずれないように注意しながら先端の開きを狭く調整してみて下さい。

*削っていない部分は潰さないで下さい。割れてしまいます!



演奏中、リード先端部は口の中で水気を吸い続けます。湿度の高い季節・場所では、この水気だけで十分にリードは振動してくれます。繰り返しになりますが、水を含ませ過ぎるとリードの振動は重くなり、先端が柔らかくなり過ぎてパリッと振動しなくなり、息が入らなくなってしまいます。

放っておいても乾燥する冬場とは違い、なかなか水分が蒸発してくれない梅雨時にはなるべくリードを湿らせないで、演奏中もなるべく「乾いた状態」にするようにしてみましょう!




*標高の高い場所(低気温・高湿度・低気圧の環境下)でリードが重くなるのも、梅雨時(高気温・高湿度・低気圧)の状況と近いのではと考えています。以前のブログ記事(→こちら)にも書いたように、空気が乾燥してリードが「硬くなって振動しない」のと、湿度が高く水気を含み過ぎてリードが「重くなって振動しない」のとを混同しないことが、どんな環境でもストレスフリーな演奏に繋がる秘訣と思います!


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